【新サービス開発story】
全力で走りながら見つけた
課題解決とビジネス成功を
本気で目指すサービス
シナジーマーケティングでは、2021年7月1日に新サービス「en-chant(エンチャント)」の提供を開始しました。
en-chantは、スポンサー企業の商品を購入したりサービスを使うなど応援アクションをすることで、スポーツチームを支援できるファン参加型スポンサーシップサービスです。
en-chant は、シナジーマーケティングとしては数年ぶりのゼロから開発された新規サービスであり、初のBtoC(エンドユーザーにも直接訴求する)サービス。そしてさらに、新ミッション「Create Synergy with FAN」を体現する新サービス群の第1弾!——という、3つのNEW!が揃った期待の新規事業となりました。
このストーリーでは、en-chantを作り上げたプロジェクトメンバーから、K.Hさん、M.Iさん、E.Tさんの3名にお話をお聞きしました。
登場人物
M.Iさん(写真右・ビジネスクリエーション部 en-chantプロダクトマネージャー)
en-chantの発案者。プロジェクトのリーダーでもあり、ムードメーカーでもある。
K.Hさん(写真下・ビジネスクリエーション部 部長)
新規事業開発と広告事業を行うビジネスクリエーション部の部長。複数の新規事業を管掌する責任者で、en-chantプロジェクトではブレーン的な存在。
E.Tさん(写真左・ビジネスクリエーション部 en-chant開発リーダー)
en-chantの開発をするエンジニアをまとめるリーダー。新卒で入社するも、一度もSynergy!の開発に携わったことのない異色のメンバー。
※写真は部のスローガンにちなんだ”ウルフ”ポーズ”!だそうです。
聞き手:A.M(経営推進部 ディレクター)
2020年8月入社(出戻り)。新ブランドの策定や新しい働き方に関するプロジェクトを推進しながら、前職でのBtoCサービス開発やディレクションの経験を生かしフットワーク軽く社内のさまざまなプロジェクトに出没する。
新サービスのヒントは意外なところから
—まずはじめに、en-chant(エンチャント)というサービスを思いついたきっかけを教えてください。
ビジネスクリエーション部 en-chantプロダクトマネージャー・M.Iさん(以下、M.I):
スポーツやエンターテイメント領域のファンが集まる場所では、応援したい!という空気ができやすいので、情報発信に対するエンゲージメントが高く、たとえ広告であっても情報がポジティブに届きやすいのではないか、と考えたのがはじまりなんです。
そういう場でスポンサー企業がプロモーションできたら、とても価値があるんじゃないか、という仮説がありました。
ビジネスクリエーション部 部長・K.Hさん(以下、K.H):
今はこんな形になりましたが、最初は、単にスポンサーとスポーツチームをつなぐマッチングプラットフォームみたいなものを考えていたんです。
でも、この時点では次のフェーズへのGOサインが出なくって。それで社内でいろいろ意見を聞いて回っていたところ、A.Mさんから「このプラットフォームの中にファンって出てきてないですよね」という話があって。そこで「ファン」に意識が向くようになったんですよね。
—いいこと言う人が社内にいたんですね(笑)。
このころ(2020年8月)はまだ新ミッション「Create Synergy with FAN」のフレーズは生まれていなかったのですが、スポーツをテーマにするのならファンの存在は欠かせないだろうと感じたんです。
でも結果として en-chantはまさに、新ミッションを先に体現したサービスに着地したと感じています。ファンとのつながりを生み出しそして大きく育てていく、みたいな。
M.I:
そのときたしか、クラウドファンディングの話もしてくれましたよね。
K.H:
応援消費(※)としては王道ですからね。でも、ファンもスポンサーも、これをずっと続けていくのはたいへんだろうと。そのときにちょうど、Bリーグのチェアマンがファンの投稿をリツイートしているのを見たことも「これで行こう!」と思ったきっかけでした。
※応援消費:人や商品、お店、企業、地域などを応援するために商品を購入したりサービスを利用すること
—どんな内容だったか覚えてますか?
K.H:
ファンの方が、「コロナで(スポーツチームの)スポンサーがたいへんな状況になってるから、スポンサーの商品を買おう」というツイートをしていて。
このツイートに対して、チェアマンのSさんが「こういった取り組みがあるからチームとスポンサーの関係が続いていってチームが運営できるんです」みたいなことを言っていたんです。
これを見た瞬間、自分たちがやりたいのはこの流れだ! ってなって。
M.I:
そうそう。それを岡村さん(取締役兼クラウド事業部 部長)やA.Mさんにぶつけたところ、反応がよくって。今までのもやもやがすっきりと晴れたのが、このタイミングでした。
ビジネスクリエーション部 en-chant開発リーダー・E.Tさん(以下、E.T):
わたしはコンセプトがだいぶ固まっていた状態でジョインしたのですが、ファンが自分の労力をかけずにスポンサーやチームの応援できる、っていうところがいいなって思って。
これまでのクラウドファンディングとは違う価値を提供できる感じがしたんです。はじめてサービスのコンセプトを聞いたときに「つくってみたい!」と、ワクワクしたのを今でも覚えてます。
K.H:
スポーツチームとスポンサー、そしてファン。三者をwin-winにできるサービスって、僕たちの知る限りありませんでした。これまでとは違うアプローチで企業の課題を解決できる方法を自分たちがつくってるって、シンプルにすごいことですよね。
手探りで進んだ1年間
—en-chantというサービス名は、どうやって決まったんですか?
M.I:
最初に考えてたのは、「エール」でしたね。英語(yell)だと応援するという意味で、フランス語(aile)では翼という意味があって。僕らのサービスをブーストするイメージが浮かんできて、これがいい! ってなったのですが、商標を確認したらNGだったんです。
K.H:
それで次に、応援歌の意味の「chant(チャント)」を出したのですが、これも商標NG。
M.I:
で、このchantの前にenをつけたらどう? って言い出したのが僕。いちおう解説すると、
enchant=魅了する
en=応援の「援」、つながりの「縁」、ブーストする「炎」
chant=応援歌・「ちゃんと」届ける(透明性の高いプロモーション)
という意味が含まれています。
K.H:
サービスの名前はけっこう早い段階で決まったんですよね。
E.T:
そういえば、最初のロゴ案も早かったですよね。サービスブループリント(※)を考える前に、M.Iさんがめちゃくちゃロゴをがんばって練っていたような…。
※サービスブループリント:サービスをユーザーに提供するまでのプロセスにおける、サービス提供者とユーザー体験の動きを視覚化したツール
M.I:
イメージは大切だから(笑)。でも結果的に、早めにサービス名やロゴをつくっておくことで、共通のイメージが持てて、方向性がブレずに進められたんじゃないかな、と思ってます。
—コンセプトやシンボルがいい感じで形になったとのことですが、開発の過程でこだわったところはどこですか?
E.T:
ユーザー体験(UX)は、けっこうがんばりました。さっき話に出たクラウドファンディングは、お金を出資してほしい人と出資する人で関係性が2つだけですよね。一方でen-chantは、スポーツチーム、スポンサー、ファンという3つの関係性があります。
サービスの仕組みがクラウドファンディングよりちょっと複雑なんですよね。なので、(ファンが)スムーズに登録できて、使ってもらうまでの流れをできるだけ止めないような画面設計をするという部分に、めちゃくちゃ時間を使いました。
—たしかに、en-chantは今までにないサービスなのでUXの正解は手探りで見つけるしかないですよね。どうやって「これならいける!」というところを確かめたんですか?
M.I:
まずは、実証実験をやろうということになったんですよね。名古屋グランパスさんにご協力いただいて、5,000人のファンの方にアンケートを取りました。
アンケートでは「en-chantのようなサービスはどう思うか?」を聞いたのですが、ファンのうち9割くらいがポジティブに捉えてくださったので、。ここでちょっと自信を持ち始めました。
—たしか、名古屋グランパスの豊田スタジアムでユーザーインタビューもやってましたよね?
M.I:
そうなんです。2021年4月のはじめごろですね。ユーザーであるファンの方にアプリ画面のモックを見ていただいて、実際に操作をしてもらって。目標にしていた10人にインタビューできました。
E.T:
この段階で、テストにご協力いただいたほとんどのファンの方たちが画面操作で迷ったりせずプロジェクトの詳細ページから会員登録、(プロジェクトの)応援まで辿りつけたので、「なんとなくいけそう!」って感じたんです。
—実際にファンに触ってもらうのが、一番わかりやすいですもんね。ちなみに、ユーザーインタビューをやろうというのは、誰が言い出したんですか?
K.H:
アンケートをやるときに、せっかくファンが集まる場所に行くんだからビラを撒こう、ってM.Iさんと話してたんです。前提として、en-chantは新しいサービスなので、泥臭いことをやらないとな、っていう共通の想いがありました。それは(サービスがカタチになった)今もですけど。黙っていたら、誰にも知ってもらえないので。でも、ただビラを撒くだけじゃ、もったいない。それならユーザーインタビューもやっちゃおう、ってなったんです。
M.I:
当日は、チームメンバーだけじゃなく、社内の有志も集まって手伝ってくれて。嬉しかったな〜!
—おお!!プロジェクトに直接関わっていない社員のみんなも協力してくれたんですね。ちなみに、試合を見に行ったら突然、名前を知らないIT企業に声をかけられて…ファンの反応はどうでしたか?
M.I:
めちゃくちゃ温かかったです。ファンのみなさんと僕たちの「グランパスのために」という想いが重なったというか。
みんなの力で、カタチになった
—この1年でアイデアの仮説から新サービスをカタチにしてリリースにまで持っていったわけですが、実際にやってみてサービス開発において大切なことってどんなことだと思いましたか?
M.I:
とにかく、人に会って話を聞くことですね。
K.H:
ファンへのインタビューとおなじように、チームやスポンサーにも、何度も何度も、繰り返し、話を聞きましたよね。
M.I:
話すことで見えてくる課題とかもありますし、どう感じてるかとかは、やっぱり言葉を交わしたほうが伝わってくる気がして。
E.T:
話すというところで言うと、社内、プロジェクトチームのメンバーともしっかりコミュニケーションを取ることは大事ですよね。
新サービスの開発って、言われたものをそのままつくるんじゃないので。「これ、本当にいるんですか?」とか「ここ、足りてなくないですか?」みたいなことは、遠慮なく、そしてかなりしつこく、聞いちゃいました(笑)。
M.I:
最初は「なんでそんなに細かく聞いてくるんだろう?」って思ったけど…(笑)。
E.T:
べつに意地悪してたわけじゃないんですよ(笑)。でも、どうしてそれをやりたいのか、その機能がほしいのかを聞いておかないと、コンセプトからブレちゃうし、軸もどんどんずれていっちゃうんじゃないかって。
M.I:
だから、ちゃんと聞いて、ちゃんと話すのが大事なんですよね。それにしても、UX周りはかなり壮大な構想ができあがっちゃいましたよね。
E.T:
そうそう、それがリリース2ヶ月前のことで。スケジュールとかも考えて、「ここは削らないとダメだね」って合理的な話ができたのは、個人的にすごいよかったと思ってるんですけど。
K.H:
私もプロジェクトにメンバーとして議論には参加していたのですが、 みんなで建設的な議論ができていて、M.Iさんもガンガン意思決定してくれていました。なので、すごく安心して任せてましたね。
M.I・E.T:
おぉ〜! 部長っぽい意見!!
—なるほど。ヒアリング、そして、チームワークが大事なんですね。en-chant開発チームに対しての会社からのサポートや関わり方はどうでしたか?
M.I:
今年から全社でスタートしたSyNBS(※)に則ってサービス開発を進めてきたのですが、これがすごく良かったです!定期的な報告・相談の場があって、軌道修正をしてもらったり、A.Mさんをはじめとする社内外の方に壁打ちする機会をつくってもらったり。それをきっかけにブレイクスルーしましたし。
※SyNBS:新規事業の推進力向上を目的に2020年10月に設定した事業開発フレーム。新規事業開発に必要なフェーズと承認フロー、各フェーズで移譲される責任権限を明確にしました
—SyNBSで事業開発フェーズを規定したのはどうでしたか?やりやすかったですか?
M.I:
やりやすかったです。フェーズごとに承認をとるべきことが明確になっているので、自然とやるべきことが見えてくるんですよね。たとえば今回のリリースは「事業実証フェーズ」にあたり、ここでは「事業として成立するかどうか」「拡大するためには何が必要か」の見極めをします。
一つひとつのフェーズがステップになっていて、そのハードルを越えるごとに事業の成功に近づいていっているという感覚があるというのがいいですね。
一緒に新サービスを盛り上げてくれる人、募集してます!
—無事にサービスをリリースして、つぎはいよいよ事業実証フェーズに向けて走り始めるにあたって、どんな新しい仲間と働きたいですか?
M.I:
チームとしては、即戦力がほしいです。とくにUXデザイナーさん!これを見ているUXデザイナーさん、ぜひご応募を!
E.T:
これまでにないサービスなので、みんなの意見を取り入れつつ、自分の提案もしてくれるような人だといいですね。建設的な議論をしながら、いっしょにサービスをよくしたり、大きくできたらいいな、と。
K.H:
M.IさんとE.Tさんに言われちゃった感じがしますが、それ以外のところでいうと、「想い」を持ってくれる人がいいですね。
今のチームのメンバーは「このサービスをいいものにしたい」っていう想いを持ってくれてると思うんです。やってみて上手くいかないことの繰り返しでも乗り越えられたのは、たぶん、根幹に想いがあるからなのかな、と。
M.I:
わかります。サービス開発を進めていく中で、「これは解決しなきゃいけない課題だな」っていう意識が強まっていって。「やりたい」というよりかは、「やらなくちゃいけない」という使命感に近いものになっていった気がします。
K.H:
en-chantチームのメンバーは「スポンサーとスポーツチームの収益の課題を本気で解決したい!」という使命感をみんなが持ってますよね。もちろん、そういった気持ちはチームに入ってから、徐々に醸成されていくものだと思いますが、「自分の手でサービスをつくって世の中に貢献したい、課題を解決したい!」という想いとか使命感を多少なりとも持って入ってきてくれると嬉しいですね。
—さすが部長、最後、いい感じに締めていただき、ありがとうございます! これからen-chant(エンチャント)がどんなふうに進化していくのか楽しみですね。社員みんなでちゃんと応援していきます!
(取材/編集:経営推進部 ブランドマネジメントチーム)